2008年07月22日

「敬意を表する」のはいまやグローバルスタンダード、「もう」も「まだ」もなお慎重に判断

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「敬意を表する」のは、官製談合相場が横行した日本の株式市場の専売特許とばかり思っていたが、いまやグルーバル・スタンダードになりつつあるらしい。米国市場で、米証券取引委員会(SEC)が、金融株への空売り規制を打ち出したら、NYダウは下げ渋り、戻りも試す展開となった。かつて日本市場で、規制当局の旧大蔵省証券局が相場過熱を警告すれば株価は小休止、下げ過ぎを示唆すれが反騰をしたかつての「敬意を表した」相場の数々を彷彿させるところがある。
 しかも、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)への公的資金注入を伴うものである。これも、日本のバブル経済崩壊後の「失われた10年」相場の大底打ちのきっかけとなったりそな銀行への公的資金注入、実質国有化を思い起こさせるところがある。
 しかしこれで米国市場が大底を打ったとは、日本の思い出したくもない経験則からしてにわかには信じ難い。日経平均株価が、大天井から2003年4月に7607円で大底をつけるには実に日柄で13年余、値幅で80%もの調整を要したのである。いくら金融技術先進国の米国といえども、昨年10月の最高値からわずか1年余、18%程度の日柄・値幅調整では、「もうはまだなり」なのか「まだはもうなり」なのか判断のしようがない。
 となれば、今週もまた、きよう22日の取引時間中に今3月期第1四半期決算を発表する信越化学工業(4063)を筆頭とする主力株の今期業績に、米国のサブプライムローン問題がどう影響するかウオッチすることから始めなくてならない。日本の不動産株には、ゼファー(8882)の経営破たんなどの影響が色濃く出始めているだけに、特殊・個別事情にとどまるのか見極める必要がある。「もう」も「まだ」も、なお腰を据えて判断して軽挙妄動は慎みたいところである。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。




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