「待ち人来たらず」である。世界的な金融収縮・波乱相場脱出の切り札と期待されたのが、3月期決算会社の4−月期(第1四半期、1Q)決算であった。ところがその「待ち人」が、フタをかけてみたら経常利益は18.8%の減益で、3月通期減益率も8.6%減益と期初予想の5.6%減益より減益率を悪化させてしまった。銘柄的にも全体の沈滞ムードを押し返すエースの登場が待たれたが、純益85%増益、69%の進捗率とガンバった松下電器は、ソニーの下方修正に足を引っ張られ、販売台数を下方修正しながら通期業績を据え置いたトヨタも、その後は上値の伸びが鈍り牽引力を欠いた。待ちぼうけ、空振りである。
当然、次の「待ち人」に期待しなくてはならない。候補一番手は、福田改造内閣が策定を急ぐ総合経済対策となる。ところがこの経済対策が、的を射る景気振興策になるかはなはだ心もとない。選挙対策用の上意下達的な色合いが濃く、かつてのように国民の底辺から沸き起こる渇望感に乏しい。いまさら橋や道路をかける公共投資、バラマキを要求する選挙民がいるわけがなく、抱えている不安心理、先行き懸念をどうかしてほしいと訴えているのである。この国民目線に立ったキメ細かなマインド対策は言うは易く、策定は前例のない難事中の難事である。
とすれば「待ち人」は、原油先物価格の下落の方が期待できる。7月に1バーレル=140ドル台と最高値を更新し、年末には200ドル台乗せとの強気観測も出たWTI価格が、いまや110ドル台まで急落した。この先再び高値を取りに行くのか調整継続となるのかは、当局の取引規制次第となるらしいが、騰勢一服となったことで世界経済は一息ついて冷静に今後の対応策を打ち出すことができる。
株式市場では原油価格高騰で売られた銘柄のリバウンドが期待できることになる。代表は航空株で、JAL(9205)とANA(9202)が、次のエースとして一本立ちできるかどうかが、原油価格調整の信頼性と株価テーマのスケールの大きさを計るモノサシになりそうだ。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。







































































