IPO(新規株式公開)は、「一粒で3度おいしい」とお菓子のグリコにも譬えられていた。まず新興市場に新規上場してファイナンス、新興市場から東証2部に市場変更してファイナンス、さらに東証2部から東証1部に指定替えされてファイナンスと都合3回も資金調達が可能になるからである。当然、上場する会社とっては、このいわば3段飛びをいかにインターバルを短縮し早期に飛ぶ越すかが、財務・資本政策の巧拙につながる。ところが難題が東証2部である。東証2部に市場変更した途端に、株価は新興市場当時の輝きを失ってくすんでしまうのである。東証1部に指定替えされたときには、株価指数連動型のファンドの買い増しなどの需給好転思惑で急伸するが、この歓迎ムードとはエラい違いである。新興市場と東証1部に挟まれた中二階で不遇をかこつことになり、なかには時価総額が上場廃止基準の10億円をクリアできずに上場廃止になる銘柄まで出ている。この不遇ぶりは、各種投資指標にも歴然で、平均PER、PBR、配当利回りとも全市場中で最出遅れとなっている。株価指数も、先週末は反発したものの、年初来安値を更新中で、年初来高値からの下落率も最悪となっている。
しかしこれだけ不遇だと、逆に裏目が出る可能性も否定できない。「ワケあり銘柄」の思惑である。例えば前週の週間ランキングの上位10位に入った銘柄のうち、ザッとみても4銘柄が「ワケあり」である。トップのミヤノ(6162)は、シチズンHDがTOB中で、第3位の帝国ホテル(9708)は、三井不動産の子会社となり、マルヤ(9975)は、リサ・グループ企業が筆頭株主で時価総額が10億円を割り、アルコニックス(3036)は、双日の傘下入りをしたばかりである。一般論として株価が低迷していると、株価よりも株券が欲しいと買いの手が出てくるのが昨今のグローバル・スタンダードで、2部市場が格好の草刈場にならないとも限らない。
どうせ今週も、1部市場は米国市場の乱高下と超大型ハリケーン「グスタフ」に振り回される展開が続くに違いない。視点を変えて、2部銘柄のリサーチも一興となりそうだ。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。









































































