国会で解散風が吹き始めて総選挙が近付くと、必ず「政治銘柄」の出番が巡ってくるのがかつての兜流であった。噂が立つのは、決まって低位値ごろで無配、赤字の限界企業で、誰々、どこどこ派閥の選挙資金稼ぎとの尾ひれが付いた。株価は、噂とともにアッいう間に急騰し、チョウチン筋が飛び付くとそこが天井で、往って来いの急落となるのを通常の相場パターンとしていた。現在は、麻生太郎内閣の成立とともに吹いていた解散風が凪いで、「政治銘柄」の季節が遠退いたかと思ったら、立派に「政治銘柄」が続出している。業績下方修正銘柄である。業績を下方修正したにもかかわらず急騰に次ぐ急騰で、ホンダのように、2回も下方修正をしたのにストップ高するケースまで出ている。ストップ安ならまだしも、通常の投資セオリーからは説明し難いストップ高である。これも「政治銘柄」と割り切れば納得が行く。
ただし、この「政治銘柄」は、かつての選挙資金稼ぎではなく、「政策関連」という「政治銘柄」である。「100年に一度の津波」に対して、先進各国が揃って公的資金注入や強調利下げに動き、急激な円高に歯止めがかかれば、下方修正要因の一つが消滅することにある。さらに空売り規制などの市場対策を強化するとなれば、売り方も慌てて買い戻しに走らざるを得ない。
「政治銘柄」の季節は、まだ長引きそうだ。まず10月31日の日銀の政策金利の0.2%引き下げが、円高阻止となるのかならないのか試され、11月4日の米大統領選挙で下馬評通りにオバマ候補が当選するのかを待ち、11月15日の緊急首脳会合(金融サミット)に集う20カ国・地域の首脳が、「100年に一度の津波」をシャットダウンする政策協調を打ち出せるのか確認することなる。
この間は強気の相場感も当たり、弱気も当たる方向感の定まらないが続く。高値で強気になって買い、安値で弱気になって売って、買いでやられ売りでやられる間違いが起こないとも限らない。面白い波乗りができることになると、そんな忙しい相場のアヤ取りに腕に覚えのある投資家は少数派だろう。ジックリ腰を落ち着けたい投資家には、花王(4452)や資生堂(4911)などの内需主力株が無難となりそうだ。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。









































































