飛んだクリスマスプレゼントである。国内では、ソニーが正社員を8000人、5%も削減し、米国では、GMの救済法案が廃案になった。内憂外患である。もうクリスマスは、「ホワイトクリスマス」期待から「ブルークリスマス」懸念一色となった。職探しの失業者が日米はもちろん、欧州、中国までグローバルに溢れ返り、暗く辛い年末を迎え、年越しができるのかできないのかいっそう不透明化してくる。どうしてこんな悲劇が繰り返されるのか?国内では、あの思い出したくもない平成不況下で雇用、設備、債務の「3つの過剰」を耐えに耐えてやっと解消したはずである。しかも、団塊の世代が大量退職する「2007年問題」と人口減少で人手不足が懸念され、新卒の大量採用に踏み切ったばかりである。
それが、契約社員の契約中途打ち切り、内定取り消しはもちろん、これからは「ソニー・ショック」なのか「ソニー効果」なのか、正社員の首切りまでが続出する雲行きとなっている。現に早速、5%どころか20%の人員削減を社員に通告したケースさえ出てきている。ソニーの雇用調整が、「人切り」の免罪符になって手っ取り早いなりふり構わない不況克服策となっていることは間違いない。麻生内閣が、10月の追加経済対策分も含め事業規模23兆円の生活防衛対策を打ち出したが、これに即効性があるのないのか、週明けの株式市場の反応次第となり、何とも心もとない。
マーケットでは「質への回避」が強まらざるを得ない。「貯蓄から投資」への大合唱が、「投資から貯蓄」への大逆流と一変する。資産形成は資産防衛に変わり、元本確保が最優先課題になる。さらにこれからデフレに潮目が変わるとなれば、モノよりカネを選好してキャッシュポジションを高めておくことが、生活防衛上の初歩の初歩となる。
となれば、株価的に浮上するのはメガバンクのはずである。メガバンクは、サブプライムローン問題に直撃されて業績は下方修正、株価は急落、最安値を更新したが、言っては悪いがいわゆる焼け太りする。「投資から貯蓄」へと大逆流したコストの安い預金を、貸付に回してサヤを稼ぐ。しかも借り手は、門前市をなしてくる。社債やコマーシャルペーパーの発行が困難となる資本市場の機能不全で、企業も直接金融から間接金融に舵を切り、手元資金の確保に走るからである。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は、今年10月に資本増強が観測報道された時には、株価が急落したが、この12月11日に優先出資証券の発行総額を正式発表した時には反発した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)ともども底値逆張りも一考余地がありそうだ。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。







































































