「春闘」と3月期決算会社の第3四半期(3Q)決算発表との間には、直接の因果関係はないはずである。しかし、3月12日の集中回答日に向けて労使交渉がスタートした途端の業績下方修正オンパレードで、株価急落銘柄の続出だ。日本経団連の「賃上げ容認論」を前に、総論賛成、各論反対で、守りを固めた経営側のムード作りとの因果関係の疑いが拭えないのである。この疑いは、下方修正の中身を吟味するとより深まる。例えば、3Qまで9カ月累計の従来の12カ月通期予想業績に対する進捗率である。3Q業績が2ケタ増収増益で着地し、進捗率が目安の75%を上回っているにもかかわらず下方修正したケースが少なくない。それだけ第4四半期の残り3カ月のサブプライムローン問題の動向や米国の景気後退、円高、需給の不均衡化、販売価格の低下などを重く厳しくみていることになる。しかし、同じ業種・業態で上方修正と下方修正が混在している事実に直面すると、極度の悲観論として否定できなくなる。
もしもこの疑いが当たらずとも遠からずということになれば、今度は春闘が終了したあとの期末にかけて上方修正オンパレードとなる可能性がないともいえないのである。急落した株価が、買いとなる逆の因果関係が成り立つことになる。
サンプルとして、イビデン<4062>(東1)の今後の業績・株価動向を見守りたい。もちろん同社を含めて、同時に自社株式取得を発表して業績下方修正、株価急落へのエクスキューズを予め用意した銘柄までリサーチの輪を広げても何ら問題はない。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。









































































