2008年03月24日

「日銀総裁の空席」と「紙パ株の環境関連人気」とで常識に挑戦も一法(浅妻昭治のマーケット・センサー)

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 日本銀行の総裁が空席となった。この異常事態で最も恐ろしいことは、金融マーケットが大混乱することではない。逆に何事も起こらず平穏無事に推移することである。日銀総裁がいなくても大丈夫、たいしたことはないとなったら、これまでの常識が今後の常識にならなくなるからである。
 兜町でも常識が常識でなくなる事態が、起こりつつある。東証1部の半分以上の銘柄の株価が、1株純資産を割ってもなお底打ち感が出ないなどというのもその代表である。あのホンダでさえ1株純資産、解散価値を割ってネガティブ・サプライズとなった。さすがに下げ過ぎと反発しているが、まだまだほんとに底入れしたのか何ともいえない。
 円高メリット株、環境関連株の2つのテーマで浮上するセクターといえば、電力株と紙・パルプ株とするのが、これまでの兜町の常識であった。ところが電力株は、原子力発電所の相次ぐ事故隠し、紙・パルプ株は再生紙への古紙配合率偽装問題でとっくに神通力を失っている。とくに紙・パルプ株は、2006年に王子製紙(3861)が、北越製紙(3865)への敵対的M&Aに失敗した後遺症は株価的に大きく、再生紙問題の上乗せでバブル崩壊後の安値を下回った。洞爺湖サミットは、大々的に植林事業を進めている地元の北海道で開催されているのに「環境関連株」の「か」の字の呼び声さえ起こらない。
 これまでの常識が、今後も常識として通用するのか試してみるのも一法かもしれない。結構、日銀総裁の空席といい勝負になる可能性はありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。



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