
■株価下落時に長期投資を持ち出して逃げ込む言い訳は醜い
本来、予定期間を想定しない投資はありえない。結果的に「塩漬け」保有を強いられるにせよ、当初には期間の目算があるはず。ところが、実際には、この重要な点がとかくアイマイにされているようだ。一方、市場周辺では<長期に保有することが最善の投資法>とする考え方が優勢で、しかもいうところの『長期』の具体的内容−−5年なのか、10年なのか−−が漠然としているため、とくに個人投資家の場合、予定期間の査定がより甘くなりやすい。
■「長期投資・最善」説に思う
さて、ごく当たり前にみえる「長期投資・最善」説が果たして信じるに価するか、どうか。厳然たる過去の株価軌跡(日経平均)を直視してみよう。
@ まず、戦後の歴史的大天井(89年末の3万8915円)と時価水準:当時から、すでに17年余り経過。それで時価はどうか、ざっと『3分の1』の水準にすぎない。03年4月の7607円安値では、実に『5分の1』の惨状だ。
A 次いで、ITバブル高値(00年4月の2万833円)と時価水準:@に比べて落差は軽いが、7年を超えてまだ当時の6割水準とどまっている。このITバブルの後遺症は今日なお優良ハイテク株で尾をひき、それが問題の「株式放れ」の一因になっている。
B 近くは、07年高値(7/9の1万8261円)と時価水準:思わぬ世界的金融波乱に見舞われ、僅か半年弱で3割超の下落に。現状、下値不安が払拭されていない上、中期上値メドでは07年高値〜Aの00年高値が遠い。
◎ なお、長期保有しても『報われない』ケースとして「数年を超える株価低迷」がある:米国で『黄金の60年代』と呼ばれた次の70年代は、10年近くもNYダウ平均がほぼ横這いで推移した。
■長期保有でキズを深くした失敗例は少なくない
むろん、一般論として長期保有は短期売買に勝る−−近年では、安値7607円から07年高値1万8261円までの4年2ヵ月で、日経平均が2.4倍に上昇した−−とはいえ、長期保有して、かえってキズを拡げた失敗例は少なくない。
今回、長期投資最善説にあえて水をかけたのは、株価が大きく落ち込んだ時ほど、ソレが気安め的・言い訳的に言われることが目立つからだ。
〜@での17年、Aでの7年が『短期』というなら、話は別だが〜































































