「変化はチャンス」とは承知しているけれども、恐れ入ったのが前週末25日のキヤノンである。前日に第1四半期決算の開示とともに、早くも6月中間期・12月通期業績の下方修正を発表、寄り付きこそ100円安したが、引けてみれば4%強の続伸である。それまでも新日鉄、トヨタ自動車が減益業績を伝えられて、逆に株価は反騰する「悪材料は好材料」の倒錯相場が展開されてはいたが、極め付きのキヤノンには脱帽のほかない。今年の決算発表は、どうも例年とは趣が違う。「変化」があらゆるセクターに及び、しかも開き直ったようにその評価が構造変化を起こしている。「変化をチャンス」とするためには、決算のいかなる小さな変化も見逃さず、先入観にとらわれず対応する必要がある。
例えば液晶製造装置大手の芝浦メカトロニクス(6590)である。前期業績が、期中の2回の下方修正値を下ぶれて黒字転換幅を縮小したが、今期純利益は5.8倍増益の高変化を予想したのである。設備投資を先送りしていた韓国、台湾の液晶パネルメーカーが、前期後半から再開をしたのが要因とした。株価はもちろん急反騰したが、追うように前週末25日に同業他社のハーモニック・ドライブ・システムズ(6324・JQ)、日本マイクロニクス(6871・JQ)が、揃って前期通期・中間期業績を上方修正してきた。
もともと液晶パネルの好・不調を反映する「クリスタル・サイクル」に従って業績、株価とも浮き沈みが激しい稀有な市況産業セクターで、これまでも何回、上に下にと振り回されたか数知れない。「変化はチャンス」かどうか、投資判断は、5月13日予定の大トリの東京エレクトロン(8035)の決算発表を待って本格化することになりそうだ。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。






























































