国際計測器<7722>(JQ)の前08年3月期業績は、5月15日に発表されている。連結売上高は、103億3500万円(前々期比2.5%減)、経常利益20億9800万円(同22.2%減)、純利益12億5200万円(同22.3%減)と上場以来初めての減収減益となった。減収の要因は、第4四半期に納入が集中したことと次の主力商品である電気サーボモータ方式の各種振動試験機の研究開発に主力エンジニアが注力した影響で、生産計画が滞り製品出荷が今期にズレ込んだことによる。減益の要因は、減収の影響に加えて、急激なドル高により為替差損3億2000万円が発生したことが挙げられる。
同社は、今期で40周年を迎えるバランシングマシーンの専門メーカーである。IT、OA機器に使われるモーターから自動車のタイヤ・各種電装モーター用バランシングマシーンを製造・販売している。
回転物が不均衡であれば、軸振れ・騒音・振動の原因となり、製品寿命も短くなるため、不均衡を矯正するバランシングマシーンが必要不可欠。10年前から自動車関連分野に軸足を移し、現在売上の約80%が自動車関連である。
連結対象企業は、米国のKOKUSAI INC.、韓国のKOREA KOKUSAI、中国の高技国際計測器、前期子会社化した東伸工業の4社である。
前期の部門別売上高と構成比率を見るとタイヤ関連61億1000万円(59.1%)、自動車部品関連15億2700万円(14.8%)、家電関連4億3200万円(4.2%)、シャフト矯正機7億6600万円(7.4%)、その他<巻線試験機・地震計等>15億円(10.6%)、東伸工業4億円(3.9%)となっている。但し、東伸工業は3か月分の売上である。
☆開発したことを秘密にして、特許を押さえている
6月3日に決算説明会が開かれた。その席上で新5ヵ年計画の具体的な数字も発表されたが、特に時間を割いて詳しく説明されたのが、電気サーボを基本テクノロジーとした新製品シリーズの開発経緯と新製品の説明であった。「100年間すべて油圧式で疲労試験を行ってきていたが、3年前から電気で出来ないかと研究していた。開発したことを秘密にして、特許を押さえている。」と松本繁社長は語り始めた。電気サーボモータ式製品は、全部で15種類。既に日本のトップメーカーに納めている製品もある。油圧式に比較して、環境面で優れている、サイズがコンパクト、価格も安い等優位な点が多く現場のスタッフにも好評だそうである。
まず、材料試験機である引張・圧縮疲労/耐久試験機、自動車のシャフトなど回転するものの金属疲労を調べるねじり疲労/耐久試験機、それらを併せて行うマルチタイプ、既に日本のトップメーカーで導入している乗り心地を調べるために必要なシート用3軸同時振動試験装置、アメリカでは10億円するといわれるが4セットで2億円の乗り心地耐久テストを行う車載型3軸同時振動試験装置、タイヤ、サスペンションの振動の伝わり方を研究するためのタイヤ・サスペンション用3軸同時振動試験装置、タイヤメーカー向けの上下、前後の振動を調べるフラットベルトタイヤ試験システム、ハンドル・ギアボックスの耐久試験機で現在は油圧で行っているが、5年で全部電気サーボモーター式に入れ替えると意気込むステアリングラック&ピニオンギアボックス耐久試験機、自動車全メーカーへの販売を行う予定である1500ヘルツまでのデーターが取れる世界初のエンジン・マウント動バネ振動試験装置等が紹介されたが、更に電気サーボ式を使った包装貨物評価用試験装置5機種も詳しい説明が行われた。輸送業界ではなくてはならないもので、油圧式に比較し、これまで3回テストしていたものを同社の製品であれば1回で済むことから現場では好評である。
☆今期以降は新製品、東伸工業の売上が寄与
今期の連結業績予想は、売上高125億円(前期比20.9%増)、経常利益30億円(同42.9%増)、純利益18億円(同43.7%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。既に前期末の受注残64億5900万円が繰り越されているうえに、今期より疲労試験機と東伸工業の売上がフルに寄与するなど話題は豊富。
電気サーボ式疲労試験機の新規事業の5カ年計画として、今期より本格的に受注を開始し、初年度目標受注高を10億円、5年後の2013年には50億円を目標としている。全社を含めた新5カ年計画では2013年売上高200億円を発表している。その内訳は、既存製品130億円、新製品50億円、東伸工業20億円となっている。
前期減収減益となったが、今期以降は新製品、東伸工業の売上が寄与することから最高益更新が再スタートするものと予想される。
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