阪急阪神ホールディングス<9042>(東大1)傘下の阪神電気鉄道(以下、阪神)が20日、無事に「阪神なんば線」を開業し、同日午前4時50分、兵庫県尼崎駅から1番列車が近鉄奈良駅に向けて出発した。
また
近畿日本鉄道<9041>(東大1)(以下、近鉄)も同日、阪神なんば線に相互直通する一番列車を近鉄奈良駅から同日午前6時2分に発車させた。
かく言う筆者は先月、弊社サイトに
「関西経済特集vol.1」(阪神なんば線関連)を載せたこともあり、実際はどのような感じか確認する意味で、翌21日、同線に早速乗車してみた。
まず乗ったのは大阪難波駅12時13分快速急行三宮駅行き。入ってきた車両は近鉄車両の6両編成。朝晩はこれが尼崎駅まで8両ないしは10両編成になる。開業日2日目、しかも3連休快晴の中日ということもあってか、奈良方面から入線した車両は、乗車率150%を超えているであろう超満員状態。同日は沿線の甲子園球場にて「春の選抜高校野球」が開幕することも重なっているからかもしれない。思ったほど大阪難波駅で降りず、むしろ大阪難波駅からさらに乗客が増え、車内が暑い。奈良方面からの乗客はよほど、神戸まで直通することが珍しいのであろう。
その暑く、混み込みの車内で反対側の風景が見られないのがネックであったが、早速観察を開始する。新駅として開設された桜川駅、ドーム前駅及び九条駅は開業2日目であるにも関わらず、あまり乗降客は見られない。今後の乗降客数の伸びがやや不安である。楽観的に考えれば、基本大阪の都心部の駅で、それぞれが地下鉄との乗換駅であることから、むしろ平日の利用が多く見込まれるかもしれない。
電車は
西日本旅客鉄道<9021>(東大1)の路線、大阪環状線と接続する西九条駅に停車。この駅は
ユー・エス・ジェイ<2142>(東マ)が運営するテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」との接続駅でもあり、そこ目当ての乗客も多かったのか、割と多くの乗り降りが見られた。JRの快速も止まる重要な接続駅でもあり、休日には結構な乗降客数が見込めると確信した。
電車は兵庫県に入り、事実上、阪神本線と合流する尼崎駅に到着。ここは予想以上の乗降客数で、特に私が乗っている三宮行きよりも、大阪難波、奈良方面行きに多くの乗客が乗車する姿が目撃された。元々、大阪志向の土地柄でもあり、今後も継続的な利用が見込まれる様子。周辺は大阪への通勤を目的としたマンションの建設ラッシュであり、新住民による利用の増加も見込まれるであろう。
電車は阪神甲子園駅に到着。前述、高校野球が始まったこともあり、案の定、多くの乗降が見られる。プロ野球のリーグ戦が始まったら、間違いなく多くの利用客が見込めるであろう。
その後も電車は進み、幾つかの駅を停車した後、終点の神戸・阪神三宮駅に到着。大阪難波駅で乗車していた乗客の3分の2は終点まで乗っていた様子。これは開業ブームが過ぎれば、もう少し需要は減少するであろうが、それでも従来、直通の足がなかったエリア間の移動需要が如何に大きいかを物語っていると感じた。
帰りも全く同じルート間で移動したが、始発の三宮駅行きから既に多くの立ち客が発生。さらに西方の姫路方面からの乗換客も少なからずいた様子。途中駅はほぼ行きと同じ傾向であったが、行きと少し傾向が違ったのが、多くの乗客が大阪難波駅で下車し、休日であるにも関わらず、あまり奈良方面へ足を向ける様子が見られなかったことである。近鉄の料金体系が阪神よりも割高ということもあるかも知れないが、兵庫県方面からの乗客の多くは、専ら難波へ行くことが目的だった様子。こうして考えてみると、同じ相互直通でも奈良県を営業エリアに抱える近鉄より、兵庫県エリアを主力とする阪神のほうが直通のメリットが大きいかもしれない。
ただ、お互いの沿線は利便性の向上で、新たな住宅需要の開発につながっていることから、一過性の需要が過ぎても、沿線人口の増加で両社とも、固定客需要は増えるであろう。
全体的な感想では成功と言って良いかもしれない。特に阪神は年間38億円の運賃収入増加を見込んでおり、業績に与える貢献は非常に大きい。近鉄も事実上、兵庫県が新たに営業エリアに加わったことで業容拡大につながった。
今後は、ダイヤの正確性など(この2日間はダイヤの乱れがネックとなっていた)、ソフト面が向上すれば、市民にも定着し、事業として長いスパンで成功を収めるであろう。是非、今後に期待したい。
>>関西経済特集Vol.1
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:07
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